2018/02/28
「この公式に入れたら答えが出るから覚えなさい!」と言うやり方が大っ嫌いで、
「初めて出てきた問題でも図や絵を描いて、自分の頭で考えなさい」と指導してきました。
こういうことをずっと言い続けて来て、「考える力が身につく塾」としてだいぶ定着してきたが、
生徒にとっては楽をして答えが出る公式はありがたいもので、それに頼りたがる生徒もいる。
そんな生徒にも「中学校の間はそんなに『考える力』の効果が目に見えて分からないけど、、
高校で勉強が難しくなってから、他塾の子供はどんどん成績が下がるけど、
うちの子はどんどん上がっていくから、今は大変だけど、公式やテクニックに頼らず頑張れ!」
と励ましてきました。
でも高校から本当に伸びるかどうかなんていうデータは取りようがない。
この「考える力」が身についたことを何かの形で証明できたらな~とずっと考えていました。
そんな中、教育開発出版の入試セミナーを受けてきました。
来年の入試がどうなるかなどの予想をすると言うテーマでした。
この中で講師の先生が何度も強調していたことは
子供を伸ばしたい塾は「パターン化をさせないで考えさせることが必要!」
と言っていました。
3年前までの入試では出題パターンが決まっていて、
「こうやれば解ける!」
と言うやり方、公式があって、それに当てはめることが得意な子が合格していた。
しかし、昨年度の理科は非常に難しい問題が多く、今年度もそれ以上に難しく平均点も
他の4教科の平均点が55点程度に対して37.4点とかなり低めの点数になった。
これからはパターン化のやり方では取れないと言うことでした。
セミナーの講師はさらに
「だから考える力が無い子は今年の入試の理科では点が取れなくって、考える力がある子が
点が取れたんです。
来年以降もこの傾向は変わらないから、考える力をつけるような指導をしなければならないんです」
と言っていました。
「私のやっていたことに間違いはなかった!」とうれしくなりました。
「ん?待てよ。と言うことは考える力が付いている子は今年の理科では周りの子に比べて点数が良かったんじゃね?」
と思って、うちの塾生が模試と入試でどのくらい点数が取れたかを改めて見直しました。
理科を除く4教科は模試も入試も平均点に対してほぼ同じ程度取れていました。
ところが理科は平均点に対して1.3倍(48.8点)も取れていました。
思わず「ウォー、すげえ!」と声を上げてしまいました。
うちの塾では理科が得意になることが多いのですが、単にそれだけではなく、
問題が難しかった入試だから点が取れていたと言うことも加わった結果です。
やはり、考えることをしない子は難しい問題を出されたらもうすぐにあきらめてしまうのでしょうが、
いつも、「図や絵を描いてイメージをして、簡単な問題に置き換えて考えてごらん」と指導してきたので
難しい問題にもチャレンジした結果なのでしょう。
今までは、「高校になったら、ちゃんと差がつくから・・・」と漠然と励ましていたのが、これからは
「考える力が付くと難しい問題でも点が取れるようになるよ!これが高校に行ったらもっと差がつくからね!頑張れ!」
と実際の結果に基づいて励ますことができそうです。
よかった~!
高校入試制度の改革はうちのような「考える力をつける」「基礎力重視」の塾にとっては
良い方に働いているようです。