2018/02/28
いつものように風呂に入りながらある本を読んでいたら、ほめる事について書いていた。
「ほめれば、子供は伸びる!」
私の子供時代にはあまり聞かなかった言葉だが、ここ10年ほどはよく聞く言葉だ。
確かにそうだな~、○○くんや△△ちゃんは、ほめたから伸びてきているなぁ。
なんて、生徒の顔を思い浮かべながら考えていた。
・・・いや、でもほめても伸びないやつっているよな。
逆にほめると満足しちゃってかえって伸びなくなるやつ。いるいる。
そいつの顔が浮かんでくる。
どうしたらどっちも伸ばせるんだろう?う~ん・・・
そもそも本当にほめれば伸びるのか?
ちょっと疑問に思った私は生物学的、遺伝的に正しいのか?という事を考えてみた。
人が爆発的に進化してきた、つまり伸びてきたのはわれわれのサルのようなご先祖様が子ザルたちをほめてきたからなのか?
いや~そうは思えない。
だって、ほめて伸ばそうなんて考えはごく最近出てきた考えだし、ほめたから人が進化したのなら人の遺伝情報の中に「子供をほめる」というものが入っていて、本能的にできているはず。
でも、そんなもの入っていないから一生懸命「子供はほめて伸ばそう!」なんて言っているんじゃないか。
じゃ、人がこんなにも進歩した理由は「ほめられたから」というのではななさそうだな。
じゃ、他の動物にできなくって人間だけが本能的にできることって何だ?
いろいろなことが頭に浮かんできたが、
「そういえば、うちのネコが笑ってるトコ見たことが無いよな。そもそもネコが笑っていたらブキミだし」
もしかしたら「ほめるから伸びる」んじゃ無くって、いいことをすると周りの人が笑顔になって、その「笑顔」を見たいから伸びるんじゃないか?って思い始めてきた。
そういえば、赤ちゃんて寝る直前に自然に「ニコッ」ってなるように本能の中に刷り込まれていて、それでお母さんが
「まあ、うちの子供ってきゃわいい~っ!わたしが何でもしてあげるわ!」
って思うようになっているって言ってたっけ。
「ほめれば伸びる」って言われていたけど、そうじゃなくって、人って恐い顔をしながらほめることができないから、ほめるときに笑顔になっていて、その笑顔を見たいから頑張って伸びるんじゃ?
言葉でほめるんじゃなくって「ニコッ」だけでもいいのかもしれない。
私は「勉強は楽しいもの!」と思っていて、生徒にも勉強を好きになってほしいからできるだけ怒らないようにしている。
「笑顔」がある、楽しい雰囲気の中でやってほしいと思っているから、たぶん他の塾よりは「笑顔」は多いはず。
そういえば「最近勉強が楽しくなってきた!」といっている子が何人も出てくるようになってきているよな~。
もしかしたら「笑顔」がカギかも?!
一般的には
「ほめるだけじゃだめで、怒ったり、しかったりすることも必要。そのバランスが大事」
なんて言われて、私もそう思っているけど、
「ほめる」の反対が「怒る、しかる」なら、
「笑顔」の反対をうまく使えばもっと効果的に子供を伸ばせるのでは?
じゃ「笑顔」の反対はなんだろう。
「怒った顔」か?・・・なんか違う気がする。
「悲しそうな顔、残念そうな顔」の方が近いような気がする。
たしかに、「怒られる」と人は反発し、なんか言い訳をかんがえ、自分を守る方向に進むような気がする。
でもヘタな事をして相手が「悲しそうな顔、残念そうな顔」をしたら
「ああ、悪いことしたな。つぎこそは頑張って喜ばしてあげたいなぁ」
って気になるような気がしてきた。
ちょっとしばらくは「ほめる」「怒る、しかる」だけじゃなくって
「笑顔」と「悲しそうな顔、残念そうな顔」の割合をちょっと多くしてやってみようかな。
みなさん、この考え、どう思います?
コメント
うちの子どもたちは、何かにつけて、えらいぃ?とか、ほめてぇ~。ほめてぇ~。と連発する。母は、やはり、誉められて育っていないので、誉め方がわからない。誉める所も探さないとわからない…母は、子どもの頃、叱られもしなかったが、認めてもらいたくて勉強をたくさんした。
ところが、M美はともかく、Y真は、全く勉強しない。勉強しないことが母は、理解に苦しむ。
一時期は、よく叱り、喧嘩をしたりしました。でも、それは、家族みんなにとっても、Y真自身にとっても、悪影響しか及ぼさないことがわかった。以降、出来るだけ、母のストレスがたまらない程度に叱るのをやめてみた。すると、相変わらず、勉強はしないが、ふてくされがなくなり、家の手伝いを嫌がらずやってくれるようになった。すると、母も機嫌が良くなり、会話がはずむようになった。みんなの笑顔も増えてきたと思う。
まっ、本人のヤル気スイッチが入らなければ、外野がうるさく言ったところで、良いことがないことがわかったので、母は、笑顔でいようと思います。
母も、大人になりました。
やっぱり、叱るより、笑っている方が自分も、まわりもいいですよね。
あとは、先生の笑顔に答え、スイッチが入ってくれることを待つばかりなり。
by Y真とM美の母 2013年5月16日 11:01 PM
コメントありがとうございます。
たぶん強制したり、物でつったりするのが短期的には成績が伸びるんだと思います。でもこれって子供の一生を考えたら逆効果なんですよね。
勉強が楽しくなったら放っておいたって勉強をするようになります。
笑顔のある教室の中で、たまには叱ったり、残念がったりしながら地道に教え、その中で生徒は問題が解けたときの喜びを次のばねにステップアップできるように目指して行きたいと思います。
by gosyo0 2013年5月16日 11:40 PM
マズローの欲求段階説だと、「怒る」や「物で釣る」は低次の欲求を満たすことで「誉めて伸ばす」は「尊厳欲求」を満たすこと、そこを超えると「自己実現欲求」の領域に入って自分から「勉強は楽しい!」と思えるようになるのですね。
「笑顔が見たい」「悲しい顔をさせたくない」は尊厳欲求と自己実現欲求の間、もしくは愛情欲求と尊厳欲求との間のどちらに入るのか判断が難しいところですが、笑顔を見ていい気分になりたい、悲しい顔を見て(自分が)悲しい気持ちになりたくないって考えると後者なのかなぁ、と思います。さらに、笑顔と悲しい顔、だと、笑顔の方が高次になりそうな気がします。(なので、個人的には「悲しい顔」はどうなのかなぁ、と思うところもあります)
勉強について、尊厳欲求段階を経なくても自己実現欲求の段階にまで行ける子もいるし、尊厳欲求段階やそれより低次の欲求に留まったままの子もいるので、笑顔が効く子、誉めるが効く子、誉めなくてもいい子、いろいろでしょうね。それを踏まえた上で、相手のいる段階を見極めながら(おそらくは複数の段階を行ったり来たりでしょうから)どの方法で欲求を満たしてあげるかのバランスを変えていけばよいのではないでしょうか。
ちなみに私の親も勉強のことで誉めたり怒ったりすることはありませんでしたが、それなりに勉強はしていました。自己満足のために…。
by hana 2013年5月17日 1:23 AM
hanaさん
コメントありがとうございます。
マズローに照らし合わせるとそういうことですか。なるほど。
もちろん「笑顔」と「悲しい顔」では笑顔の方がいいんでしょうけどね。
「アメ」と「ムチ」は両方あって初めて効果があるものだと思っているので「笑顔」が「アメ」なら「ムチ」って何だろう?と思ったわけです。
「ほめる」が「アメ」なら「叱る」が「ムチ」はなんかわかる。
でも「笑顔」の反対は「叱る」じゃないよなぁ・・・とね。
「叱る」よりは「悲しい顔」の方がまだしっくりくるのですが、それでもまだ80%くらいしか言い表していないような気がしています。
「笑顔」の反対は何なんでしょうね。
by gosyo0 2013年5月17日 1:52 AM